『同期生 「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年』の感想

本日は、『同期生 「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年 』(集英社新書)のレビューです。

 

今はまったくマンガを読まない私ですが、子どもの頃、長らく「りぼん」という少女漫画を愛読していました。

 

特に好きな漫画家は一条ゆかり

 

彼女のまんがの魅力は一言で言うとおしゃれ。子どもの私にはその大人っぽさがアピールしました。彼女はコメディもたくさん描いていましたが、私は、どちらかというと暗い話が好きでした。

 

特に「デザイナー」というマンガが好きで、これは大人になってから単行本を買ったくらいです。

 

私は一条ゆかりの「りぼん」でのデビュー作も読んでいるし、デビューして間もない頃、別冊に書いていた読み切りもよく読んでいました。

 

舞台裏で、彼女が何を考えていたのか興味があり、この本を買いました。私が思い入れがあるのは一条ゆかりだけです。

 

本を読んで改めて、一条ゆかりの凄さを思い知りました。

 

同期生 「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年 』の概要

 

この本の著者は、一条ゆかり、もりたじゅん、弓月光で、後書きは当時の編集者の1人、石原富夫という人です。

 

3人とも、月刊誌「りぼん」でデビューして、長い間りぼん専属で仕事をしていました。

 

全員、1967年(昭和42年)、りぼんが主催した、「第1回りぼん新人漫画賞」の入賞がきっかけで漫画家としてデビュー。だから同期生なのです。

 

1967年といえば、私は、まだ8歳です。

 

一条ゆかりと弓月光が準入選で、もりたじゅんが佳作だったとのこと。

 

この本には、3人が漫画家としてどんな人生を送ってきたか、それぞれが自叙伝風に書いたエッセイが収録されています。

 

目次です。

同期生(目次)

 

一条ゆかりが80ページ、もりたじゅんが70ページ、弓月光が60ページぐらいの割り当てです。

 

自分のやりたいことが明確だった一条ゆかり

 

一条ゆかりは漫画もおもしろいですが、文章もそれに負けないぐらい読ませます。改めて、すごいストーリーテラーだと関心しました。

 

彼女は子どものころ貧しくて、それでずいぶん魂が鍛えられたようです。

 

進学校に行ける学力がありましたが、漫画を描く時間を捻出したいから、商業高校に進学しています。

 

高2ですでに貸本漫画家としてデビュー。

 

高校3年生の修学旅行で東京に行ったとき、ちゃっかり知り合いの講談社の人と喫茶店で打ち合わせ。

 

そのとき、たまたま一足早くデビューした里中満智子(一条ゆかりより1つ年上)に会って、里中プロダクションにアシスタントとして入れてもらう約束までとりつけています。

 

結局、その後里中満智子が結婚することになり、アシスタントになる話は立ち消えになりました。

 

若いうちから、自分のやりたいことが明確で、その目標に向かってまっしぐら。一条ゆかりは、とにかく行動力があるのです。

 

一条ゆかりのプロデューサー的視点

 

漫画家にあこがれる人は多いですが(最近はそうでもないでしょうか)、どう考えてもすごく大変な仕事です。

 

締め切りのある仕事はとてもストレスたまるはず。

 

それを45年間、一線で走った一条ゆかりはすごい人です。この本を読んでそのすごさの秘密の一端を知りました。

 

彼女は、自分の中には「一条ゆかり」という冷徹なプロデューサーがいて、そのプロデューサーに仕事をさせられてきたと書いています。

 

プロデューサーとはその作品の商業的な責任を持つ人です。

 

このプロデューサーは、新人時代(デビューして3年以内)はどんな依賴も引き受けて、力の続く限り漫画を描き、何にでも挑戦することを彼女に強要しました。

 

7年たったら中堅なので、こんどは仕事の数はセーブしてもいいが、「一条ゆかり」というブランドを確立できる先品を描けと命じました。

 

そして40年たったら、「極めろ」と彼女に言ったのです。「匠(たくみ)」になって、「これを描かせたら一条ゆかりの右に出るものはいない」境地に行けと。

 

単にものを作るだけでなく、それを売り物にしなければならない人は、こういうプロデューサーの目を持つことが大切なのでしょう。

 

一条ゆかりのすごいのは、この鬼のようなプロデューサーの命令に、きっちりしたがってきたことです。

 

漫画家としての力があるだけでなく、作品に商業価値を与える力もある人なのです。実際彼女は読者アンケートを毎回しっかり見て自己分析していました。

 

「読者の好みと自分の好みが違うのはかまわないけど、どう違うのかの知識は大切です。私は『普通の女の子』がどのような好みなのかを研究しました。

 

こう彼女は書いています。

 

漫画を描きたいから漫画家になり、貧乏でもいいから描きたいものを描き続けるつもりだったし、実際描いてきた、と言っているのですが、自分の描きたいものを描ける環境を手にするために、ストーリーラインは「読者の好きな方」を選んでいたのです。

 

自分の作品を売り物にする姿勢、読者目線をそらさない考え方は、主婦アフィリエイターの私も見習うところがたくさんあります。

 

自分の最終的な目標に向かって、今日何をすべきか、考えるべきなのです。

 

私ももっと、しっかりアクセス解析を見なければ、と反省しました。

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投稿 2016/07/03

fudeline

私は特に、彼女のデビュー当時の読み切りが好きでした。絵がきれいで新しいおしゃれな雰囲気がありました。

 

彼女の初期の漫画はハリウッドやフランス映画の影響を受けていたと思うので、そのへんが私の好みと合ったのかもしれません。

 

この本、ほかにも興味深いエピソードが満載でした。弓月光が、締め切りギリギリになっても描けない話なんかは、他人ごととは思えません。

 

また、一条ゆかりが、知り合いの編集者や弓月光らとよく「文通」していた、というくだりを読んでほのぼのとしました。
昔はインターネットなんてなかったから、みんな手紙をやりとりしていたのです。いい時代だったなと思います。

 

「デザイナー」の単行本、長らく実家に置いていましたが、とうとう2年前に処分しました。「Kindle版が出ているから、いいか」と思って。

 

まだKindle版は買っていません。

 

あまりに何度も読んだので、絵や話が頭の中に入っており、今のところ読み返さなくても、何度も好きなときに脳内で再生できるからです。